リヤド予約のその前に ~注意点と選び方~


まずはじめに、リヤドというのはもともと「中庭のある家」を意味するアラビア語ですが、現在ではモロッコにおけるプチホテル示す単語として使われる事が多くなりました。
一般的には、「リヤド」といえば中庭付き、「ダール」と言えば中庭と言えるほどパティオが広くない建物という形になるので、広さのイメージとしても利用できるでしょう。

規模の小さなこの宿泊施設は、オーナーの趣味とモロッコのデザインがミックスされ、確かに素敵でモロッコらしい雰囲気が一般のホテルに比べてあるホテルですが、一般のホテル並みの24時間サービスが期待できるのはごく限られた一部の高級リヤドだけになる事を理解しておかなくてはなりません。
このページでは、弊社で日頃から連携確認をしている契約リヤドではなく、リヤド一般についての手配上の問題点をご案内させていただきます。

■ 位置と治安を要確認
まず、リヤドの多くは旧市街の小道の奥に存在し、看板が出ていない事もほとんどです。ホテル予約サイト等では地図が間違っている事も少なくありません。料金やデザインだけで決めずに、タクシー等を捕まえられる広場までの位置、リヤドの位置する場所が治安的に安心できる場所なのか確認してから予約しないと、夜間の外出を怖く思って出かけられなくなったりしてしまいますので注意が必要です。
一般的に「料金が安い」=「位置条件が悪い」「治安が悪い」「設備が悪い」のいずれかである事が多くなっています。
予約前には必ずリヤドに直接メールを送り、どのようにたどり着いたらいいか等の打ち合わせを行い、その対応の良し悪しで予約リヤドを決めるとより安心です。現地での対応が悪いリヤドは、このメールでの問い合わせの対応も悪い事が多いです。

■ 部屋数が少ないホテルならではのトラブル
単純に「お部屋がやっぱり好きじゃない」あるいは、リヤド側のトラブルでお湯が出ない、電気がつかない、といったような事があっても、ハイシーズン中など特に、同じリヤドの別なお部屋に変えてもらう事もできず、簡単には思い通りの対応が望めない事も少なくありません。
スタッフとウマが合わない、態度が悪くて気に入らないといった理由で変更なさるのも、オーナーは外国在住の外国人である事が多いため、責任者が現場にいない事から問題の緊迫感も伝わらず、「それはお客様の方の問題ではないか?」という事で、了承されない事も少なくありません。
また、責任が誰にある事であれ、その場ですぐに対応しなくてはならない場合、キャンセル料の判断が出ない段階から、新規に手配するホテルの宿泊料も当然100%してしまいます。

自己手配の場合、そういったトラブルへの対応も、最低限英語で自力で行う必要が出て来る事を念頭に置いておきましょう。

■ リヤドの建物としての特徴
旧市街の中の家は、モロッコ人達によって不便、水回りの設備が悪い、古い…といった様々な理由で捨てられるように売られて来た家や土地をベースに出来上がっています。
それらを古いもの好きのヨーロッパ人が改装したり、建て直したりしたものが現在ホテルとして提供されていますが、もともとそうした伝統的な古い家のデザインを踏襲しているため、以下のような特徴があります。

 ・ホテルまでの道が非常に分かりにくい
 ・基本的に部屋が狭い(日本のホテルのシングルルームほどではありませんが)
 ・日陰が多く、明るさには欠ける(夏の暑さ対策の伝統のため)
 ・外向きの大きな窓は無い(モロッコの伝統として)
 ・水まわりのトラブルが多い
 ・基本的にダブルルーム
 ・シャワーが基本でバスタブは付いていない
 ・モザイクや石づくりの壁のため、部屋やお風呂場が寒い
 ・風呂場は密閉される扉ではなく、小さなアーチにカーテンといった形式が多い
  (従ってお風呂場は寒い)
 ・トイレのドアはカーテンで、音が外に聞こえる状態の事も多い
 ・お湯が出ない等水回りのトラブルが多い
 ・給湯タンクが小さい場合が多く、一度に使える湯量に限界がある
  (2人が熱いお湯のバスタブにつかるためには数時間時間を空けないといけない)

また、サービスの面では、客室数が少なくスタッフの数も少ないため、以下のような特徴があります。

 ・サービスは24時間対応ではない
 ・昼食、夕食は事前に注文しておかないとホテルでは食べられない
 ・早朝出発、深夜到着に対応できない所も多い(早朝、夜間スタッフが1名しかいない)
 ・冷蔵庫、テレビ、客室電話等の一般ホテル的なサービスは無い事が多い
 ・英語がどこまで通じるかスタッフによって違う
 ・スタッフが生理的に気に入らなくても変えられない

こうした事情から、一般的なホテルと同じようなサービスを受ける事をご希望のお客様には、リヤドはおすすめいたしません。特に

 ・50代以降の、ホテルには快適性を強く求めるお客様
 ・語学力が特に無いと意識しておられるお客様
 ・バスタブとお湯にこだわられるお客様
 ・お部屋の気温状態にこだわられるお客様
 ・明るく、大きな窓を好まれるお客様
 ・階段の上り下りに問題のあるお客様
  (階段の高さが一定でなかったり、1段がやたら高い事も少なくありません)

以上の条件にあてはまるお客様は、弊社としては一般ホテルの利用をおすすめいたします。
一般のホテルであれば部屋数が多い事、同じカテゴリーの部屋も多い事から、万一通されたお部屋に設備的なトラブルがあったり、眺めが気に入らなくても、他の客室に変更してもらえる可能性が高いという事が理由です。
リヤドの場合は、部屋ごとに料金が違うため、同一料金内での切り替えが難しい事が多く、また部屋数が少ない事から満室で対応できないケースも出て参ります。

こうした事情もあり、ご宿泊先を選ぶ時には、単純に「旧市街内で安いからここでいいだろう」「きっとタクシーが連れて行ってくれる」とは思わずに、特に位置条件と治安について十分確認してからご予約に生られる事を強くおすすめさせていただきます。
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